10年以上使ったBaffaro製外付けHDDを分解修理してみた

電子工作

作業部屋でファイルサーバー代わりに使っているBaffaro製のNAS(ネットワーク接続ハードディスクドライブ)。そのNASのバックアップ用として、10年以上前に購入した外付けハードディスク「Baffaro HD-CS250U2」を利用していました。しかし、昨日管理画面をチェックしたところ、バックアップが止まっていることに気づきました。

外付けHDDの本体を見ると、電源ランプは点灯しており動作しているようなのですが、NAS側で認識されていない状態です。こうなったらもう、自己修理しかない! ということで、分解して原因を探ってみることにしました。

外付けハードディスクの状態確認

まずは分解する前に、HDDの動作状態を確認しました。

  • 電源ランプは点灯しているため、電源自体の故障ではなさそうです。
  • パソコンにUSB接続を試みるも、やはり認識されない
  • 電源を何度か入れ直してみましたが変化はなし。

いよいよ分解してみるしかないようです。

※分解はあくまで自己責任です。メーカーへ修理に出したほうが確実です。

分解作業開始

手順に沿って、外付けHDDを分解していきます。

1.底面のネジを外す

  • 外付けHDDの底にプラスネジが1本あります。これを外して、ケースを開けます。

正面のパネルを開けます。

2.正面パネルを開ける

  • 続いて正面パネルを外し、内部にアクセスできるようにします。

3.側面パネルをスライドさせて外す

  • 両側面のパネルもスライドさせて外すことで、内部の基板とHDDが見える状態になります。

両面外しておきました。

中の電源基板とHDDが見えます。

原因を調べる

分解したHDDの基板をチェックしてみると、「ぷくっ」と膨らんだコンデンサが目に入りました。この部品は、電源回路でよく使われる「コンデンサ」で、長時間の高温・高負荷状態が原因で膨らむことがよくあります。このコンデンサを交換すれば直るかも? と信じて作業を進めることにしました。

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電源回路には定番の「コンデンサ」

電荷(物体にある電気の量)を蓄える役割があります。
安定した電源を維持するのに必要な電子部品です。
高温・高負荷で長時間使用しているとよく、「ぷくっ」となります。

ぷくっとコンデンサを交換したら直ると信じて交換してみます。

コンデンサ交換の手順

以下の手順で、膨らんでいたコンデンサを新しいものに交換します。

1.基板からコネクタを外す

  • 電源基板に接続されているコネクタ類を全て取り外し、基板を取り出します。

2.コンデンサを確認

  • 基板についていたコンデンサは「1000μF 16V」のものでした。静電容量と電圧が同じものを準備します。同じ容量、電圧のものが部品棚にあったので交換します。

3.古いコンデンサの取り外し

  • 基板裏のはんだを吸い取り線で取り除き、膨らんでいたコンデンサを取り外します。取り付けてあった向きに注意します。※この際無理に力を入れると基板自体が壊れる可能性があります。焦らず、じっくりと!

4.新しいコンデンサの取り付け

  • 同じ向きで新しいコンデンサを差し込み、はんだ付けを行います。

組み立てと動作確認

分解の逆手順でHDDを組み立てていきます。

  • 基板のコネクタを再接続
  • 底面のネジで固定

組み立てが完了したら、パソコンに接続して動作確認を行いました。

「動け!!!」と願いつつ接続してみたところ、無事に認識されました! NASに再接続してみても問題なく動作し、バックアップも正常に進みました。

まとめ

今回は運良くコンデンサの交換のみで修理完了しました。しかし、場合によっては電源基板自体の故障であることも考えられます。この場合、コンデンサ交換だけでは直らないため、分解修理の際には自己責任が必須です。

ちなみに、分解ついでにHDDを500GBから1TBに換装しておきました。これでしばらくは安心してバックアップが取れるようになりました。